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HOMENEWS自己紹介&人生を真剣に考えた出来事を2つ_②

自己紹介&人生を真剣に考えた出来事を2つ_②

自分の人生を真剣に考えた出来事を2つ目を書きたいと思います。

上京し4年。

内定取消しや派遣村など不景気なニュースが飛び交う世の中。1つの求人に100人近くが応募するなど当たり前だった時代。専門学校卒の私達には、「正社員」という肩書きが、とても光り輝くものだった事を覚えています。

夜間の学校を中退し22歳になった僕は、渋谷の小さなデザイン事務所に就職しました。ファッション業界では無く、広告のデザインをする会社。グラフィックデザイナーという道を歩み始めました。

社会人になって2年目の冬。

東京にいる中学の同級生が集まり忘年会をする事になりました。友人達は大学を卒業し、大手の企業に就職しているメンツばかり。みんな凄いなぁと思っていた事を覚えています。話題はもっぱら仕事の話や最近の近状など。

様々な話題が飛び交う中、ボーナスの話になりました。

「冬のボーナスいくらもらった?」

その当時、僕がもらった金額が額面23万円。人生初めてのフルボーナスにすごく喜んでいました。

みんなの金額を聞いたら、僕の2倍くらい。

「テレビ買い換える!」とか「貯金するー」など景気のいい話が飛び交う中

ずっと僕はみんなに言っていました。

「マジですげーわ」

当時の給料は額面19万円。手取りで16万くらいでした。僕はこれで満足していました。学生時代は仕送りがなく、居酒屋のバイトで稼いだ10〜12万で生活をしていたから。社会人になって週に1回は外食できるし、安い居酒屋であれば飲みにも行ける。

この日に気がつきました。

僕の見ていた世界は、同級生の見ている世界と比べてレイヤーがひとつ下の世界。

欲しい物は大体買えない。たまの外食に、唐揚げ定食が食べたいと思っても、メニューよりも先に値段に目がいき、安い鯖定食を選んだりする毎日。就職し自由に使えるお金が増えたと喜んでいた自分がとても惨めに思えてきたのです。

その時の感情は、「焦り」

しかたないのです。自分のせいだから。

高校時代に僕は遊んでいる中、同級生は勉強をして受験戦争を勝ち抜くという努力をしていた。その時に思ったのは「学歴というのはこの人がどこまで頑張ってきたかを測るツールなんだ」という事をリアルに感じました。

どうすれば同級生と社会人として対等になる事ができるのかを真剣に考え始めました。

サラリーマンでいた方が大きな仕事はできる。能力的に仕事で世界の賞を獲るなど、大成する可能性は低い。少しでも早く独立をして、自分の不得意な部分を補強する組織にしていけば、もしかしたら世界で賞が獲れるような会社ができるかもしれない。僕が中心じゃなくてもいいからそんな組織を作りたい。

よし、25歳を目標に独立をしよう。3年で失敗しても28歳。まだ再就職ができるはずだ。それで人生は変わるかも。そんな無謀な挑戦をリアルに考え始めたのです。

次の日、ボーナスを握り締め、新宿のソフマップに中古のMacBook Proを買いに行きました。後に独立した時に使う事になる機材です。

帰り際、家の近くの中華屋に立ち寄りました。

今日は値段を見ずに食べたいものを食べよう。

そう思った僕は、ラーメンとチャーハンを頼みました。今の僕ができる精一杯の贅沢。お会計は1600円。

これが苦しくないと思える日がくると信じていた2008年の冬でした。