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BARで学ぶリアルマーケティング
第33話|動画広告とは?メリット・デメリット・制作のポイントと効果を解説

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こんばんは、今日もマーケティングの考え方を一緒に整理していきましょう。
今回のテーマは、動画広告について。
この記事では、次の内容を解説していきます。
⚫︎動画広告の基本と近年のトレンド
⚫︎動画広告の種類と特徴
⚫︎メリット・デメリットと費用の考え方
⚫︎成果を出すための運用ポイント
⚫︎よくある失敗と対策
読み終える頃には「動画広告を活用すべきか・どう始めるか」が明確になります。
👉 関連記事:[第2話|マーケティングってナニ?]
※ 本記事は「マーケティングの全体像」を理解している前提で進みます。
もし曖昧な場合は、こちらから先に読むと全体像が整理できます。
舞台は、宮崎市で不動産の売買・賃貸を手がける地域密着の会社。
地元のお客さまへの物件提案を長年続けてきたけれど、最近は若い世代からの問い合わせが減り、Web経由での集客強化が課題になってきました。
競合の不動産会社がYouTubeに物件紹介動画を出し始めたことで、「うちも動画広告をやるべきか」という疑問が生まれたものの、動画制作の経験もなく、参考にできる資料もないため費用がいくらかかるかも、効果があるかどうかも分からない状態。
——そんな悩みを抱えた社長が、BAR『月灯り』を訪れたところから、今夜の話は始まります。
1.動画広告はなぜ増えている?市場規模と近年のトレンド
社長:「なあ、あかりさんちょっと相談なんだけど。……最近、競合がYouTubeで動画広告を出し始めてさ。物件の内覧動画みたいなやつ。うちも同じことをやるべきか悩んでるんだが、正直何から始めればいいのか全然分からなくて」
あかり:「動画広告ね。確かに最近、不動産系の動画広告を見かけることが増えたわ。まずは一杯飲みながら、順番に整理していきましょ」
グラスを静かに社長の前に置き、あかりが続ける。
あかり:「動画広告は確かに注目度が高いけど、『とりあえず作って出す』だけでは効果が出にくいの。仕組みと種類をきちんと理解してから始めると、ずっと費用対効果が上がるのよ。今夜はその全体像を一緒に見ていきましょ」
2.動画広告の市場規模と近年のトレンド
社長:「なんで最近急に動画広告が増えてるんだろう。競合が始めたのは分かるけど、業界全体でそういう流れになってるのか?」
あかり:「そう、それを最初に整理しておくのが大事ね。結論から言うと、流れははっきり来ているわ。動画広告市場はここ数年で急激に拡大していて、国内のデジタル広告費の中でも存在感がどんどん大きくなっているのよ」
社長:「やっぱり一部の会社だけの話じゃないんだな」
あかり:「ええ。不動産に限らず、いろいろな業種で動画広告の導入が進んでいるの。最近は特に、縦型の短い動画とか、購買促進や販売促進を目的にした動画活用が目立ってきたわね」
社長:「縦型って、TikTokとかInstagramで流れてくる、ああいう短い動画のことか?」
あかり:「そうそう。TikTok・Instagram Reels・YouTube Shortsみたいな15秒〜60秒くらいの動画ね。あれが一気に広がったことで、企業側も動画を広告として使いやすくなったのよ」
社長:「でも、なんでそこまで一気に広がったんだろうな」
あかり:「一番大きいのは、やっぱりスマートフォンの普及ね。外出先でも家でも、みんなスマートフォンで動画を見るようになったでしょう? いつでもどこでも動画を視聴できる環境が整ったことで、動画に触れる時間そのものが大きく増えたのよ」
社長:「確かに、俺も最近は何か調べるときスマホで動画を見ることが増えたな」
あかり:「そういう人が増えているの。不動産を検討している30〜50代の人たちも、スマートフォンで物件情報を調べる習慣が定着したわ。そこに動画で物件の雰囲気を届けられるなら、テキストや写真だけの情報提供より圧倒的に有利なの」
社長:「なるほどな。たしかに写真だけじゃ伝わらない空気感ってあるもんな」
あかり:「その通りよ。しかも最近は、短い動画でも雰囲気や魅力を伝えられるようになってきたから、地域密着の中小企業でも動画広告を始める事例が増えているの。宮崎で競合が動き始めたのも、その流れの中にあると考えていいわね」
社長:「つまり、今は『やるかどうか』を考える段階というより、『どう使うか』を考える段階に近いってことか」
あかり:「まさにそういうことよ。だからこそ、焦って始めるんじゃなくて、まずは仕組みを理解して、自社に合った形で使うのが大切なの」
3.縦型ショート動画の台頭
あかり:「もう一つ大きいのが、縦型ショート動画の台頭ね。TikTok・Instagram Reels・YouTube Shortsといった15秒〜60秒の縦型動画が、特に若い世代の間で爆発的に普及したの。これがSNSでの動画広告の可能性をさらに広げているのよ」
社長:「たしかに、最近はそういう短い動画をよく見かけるな」
あかり:「そうなの。TikTokは若い世代が商品や不動産情報を探す媒体としても使われるようになってきているし、Instagram Reelsでは物件の雰囲気を短くまとめた動画コンテンツが高い反応を得ているの。YouTube Shortsも急成長していて、1分以内の物件紹介動画が再生数を伸ばす事例も出てきているわ」
社長:「不動産業界でそういう活用事例が増えてるのか」
あかり:「近年は大手不動産会社だけじゃなく、地域密着の中小企業も動画広告を始めている事例が増えているわ。宮崎でも、競合が始めたのはその流れの一環ね」
社長:「なるほどな。もう一部の大手だけがやるものじゃないんだな」
あかり:「そういうことよ。『動画を使っていない企業が遅れを取る』という時代になってきているの。だからこそ、今夜しっかり仕組みを理解して、うまくスタートを切ることが大切なの」
4.動画広告とは?ディスプレイ広告・テキスト広告との違い
あかり:「まず基本から整理するね。動画広告って、映像と音声を組み合わせた広告フォーマットのことなの。テキスト広告やバナー広告(ディスプレイ広告)と何が違うかというと、一番大きな差は『時間軸』なのよ」
社長:「時間軸?」
あかり:「そう。テキスト広告は文字情報だけ、バナー広告は画像一枚で伝えるでしょう? でも動画広告は、15秒・30秒・60秒という時間の中で、映像と音声・音楽を組み合わせながら、ストーリーや感情まで届けることができるの。そこが大きな違いなのよ」
社長:「なるほど。つまり、より深く伝えられるってこと?」
あかり:「そういうことね。テキスト広告やバナー広告と比べると、短時間で伝えられる情報量が圧倒的に多いの。だから、ただ見せるだけじゃなくて、雰囲気まで伝えやすいのよ」
社長:「たしかに、写真一枚だけじゃ分からないことは多いもんな」
あかり:「そう。物件の雰囲気や立地、暮らしのイメージを文章や写真1枚で伝えるのは難しいわ。でも動画なら、キッチンの広さ、窓からの眺め、周辺の街並みを30秒で体感させられるの。これが動画広告の本質的な価値よ」
社長:「たしかに、それは大きいな。で、そういう動画広告って、どこに出すのが一般的なんだ?」
あかり:「配信されるプラットフォームは多岐にわたるわ。YouTubeをはじめ、Instagram・TikTok・X(旧Twitter)などのSNSプラットフォーム、Webサイトの動画プレイヤー枠なんかもあるの」
社長:「やっぱりYouTubeが中心になるのか」
あかり:「そうね。中でも圧倒的なリーチを持つのがYouTubeなのよ。不動産系で検討するなら、まずはYouTube広告から入るのが現実的ね。理由は後でお話しするわ。その前に、動画広告の主な種類を整理するね」
5.動画広告の種類
あかり:「YouTube広告は種類が多く見えるけれど、まずは大きく分けてインストリーム広告とアウトストリーム広告で考えると整理しやすいわ」
社長:「インストリーム広告とアウトストリーム広告?」
インストリーム広告
あかり:「そう。まずインストリーム広告は、YouTube動画の再生前後や途中に差し込まれる広告のことね。視聴者が動画を見る流れの中に入ってくるから、いちばん“動画広告らしい”形式としてイメージしやすいわ」
社長:「たしかに、YouTubeを見ていると動画の前に流れてくる広告はよく見るな」
あかり:「そういうものね。そしてインストリーム広告は、さらにスキッパブル型とノンスキッパブル型に分けて考えると分かりやすいのよ」
社長:「スキップできるかどうか、ってことか」
スキッパブル型の特徴
あかり:「その通り。スキッパブル型は、一定時間がたつと視聴者がスキップできる形式ね。興味がない人には飛ばされやすいけれど、そのぶん関心のある人に絞って届けやすいのが特徴よ」
社長:「じゃあ、興味のある人に見てもらえれば無駄が減るわけだな」
ノンスキッパブル型の特徴
あかり:「一方でノンスキッパブル型は、視聴者がスキップできない形式なの。短い時間で確実にメッセージを届けたいときに向いているわ」
社長:「なるほどな。同じインストリーム広告でも、見せ方の考え方が違うんだな」
まず押さえたいインストリーム広告の考え方
あかり:「ええ。だからインストリーム広告は、“動画の流れの中で見せる広告”で、その中にスキッパブル型とノンスキッパブル型がある、という順番で理解すると整理しやすいのよ」
社長:「じゃあ、アウトストリーム広告は何が違うんだ?」
アウトストリーム広告
あかり:「アウトストリーム広告は、YouTubeの動画再生画面そのものではなく、YouTube以外のGoogleパートナーサイトやアプリ上に掲載される動画広告ね。動画コンテンツを見ている最中というより、別のサイトやアプリを見ている流れの中で表示されるのが特徴よ」
社長:「同じ動画広告でも、出る場所が違うってことか」
インストリーム広告とアウトストリーム広告の違い
あかり:「そう。インストリーム広告は“動画の再生中に差し込まれる広告”、アウトストリーム広告は“動画以外の閲覧環境の中で表示される広告”と考えると分かりやすいわ」
社長:「なるほど。まずは、どこに出る広告なのか。その次に、スキップできるかどうかを見ると整理しやすいわけだな」
あかり:「その理解で大丈夫よ。最初から細かい名称を全部覚えるより、まずはインストリーム広告とアウトストリーム広告、そのうえでスキッパブル型とノンスキッパブル型の違いを押さえる方が、全体像が見えやすいの」

6.動画広告のメリット
視覚・聴覚への訴求力の高さ
社長:「動画広告の強みって、やっぱり映像で見せられることなのか?」
あかり:「そうね。動画広告が他の広告フォーマットと一線を画す理由は、視覚と聴覚の両方に働きかけられることなの」
社長:「たしかに、文字や写真だけとはだいぶ違いそうだな」
あかり:「ええ。映像・ナレーション・BGM・テキストテロップを組み合わせることで、感情的な訴求が可能になるの。特に不動産のような『購入前に現地を確認したい』カテゴリーにおいて、動画コンテンツは購買意欲を大きく左右するわ」
あかり:「内覧ウォークスルー動画を広告として配信するのは、特に不動産との相性が抜群なの。LDKの広さ、収納の多さ、バルコニーからの眺め——テキストや写真では伝わりにくい魅力が、動画なら30秒で体感できるのよ。視覚と聴覚に同時に訴えることで顧客の共感を呼びやすく、認知度の向上にも期待できる手法なのよ。商品やサービスの紹介動画としても情報提供力が高く、視聴者の行動変容を促しやすいのが動画広告の本質的な強みね」
社長:「確かに、物件写真だけ見せても『実際どうなの?』って不安は拭えないしな」
幅広いリーチと認知拡大
社長:「でも、動画広告って本当にそんなに広く届くものなのか?」
あかり:「届くわよ。YouTubeは検索エンジンとしての機能も持っていて、『宮崎 一戸建て』『マンション 購入 費用』などのキーワードで動画検索をするユーザーも少なくないの。動画広告はそうした能動的なユーザーへのリーチにも有効なのよ」
社長:「ただ流れてくるだけじゃなくて、自分から探してる人にも届くのか」
あかり:「そういうこと。しかも、YouTubeの月間利用者数の規模を考えると、テレビCMに近いマスリーチを、デジタル広告のターゲティング精度と組み合わせて実現できるの。動画広告は視聴者の記憶に残りやすく、広告効果が高い手法として人気を集めているわ。リード獲得や購買促進にも活用されていて、成功事例を見ると、ブランドの認知度を高めた企業の多くが、YouTube広告を中核メディアとして位置づけているのが分かるのよ」
あかり:「地域密着の不動産会社だからこそ、『宮崎在住・30〜40代・住宅購入検討中』という条件でリーチを絞れるのはYouTube広告の大きな強みよ。テレビCMとは違って、余分な人に広告を見せずに済むの」
ターゲティングの精度と多様性
社長:「YouTube広告って、どこまで細かく相手を絞れるんだ?」
あかり:「YouTube広告(Google広告経由)のターゲティングは非常に多彩なのよ」
- デモグラフィック:年齢・性別・世帯収入
- 興味・関心:不動産・住宅購入・インテリアに関心のあるユーザー
- キーワードターゲティング:特定のキーワードを検索したユーザーへの配信
- リターゲティング:自社サイトを訪問済みのユーザーへの再配信
- カスタムオーディエンス:競合サービスのURLや関連キーワードを登録して類似ユーザーにリーチ
社長:「思ったより細かいな」
あかり:「そうなの。特に注目してほしいのがリターゲティングね。一度動画を見たユーザーに対して、次のステップとして物件問い合わせを促す広告を追いかけることができるの。動画を最後まで見た人は検討度が高いので、リターゲティングの効率が上がるのよ」
社長:「動画を見た人を追いかけられるのか。それは面白い仕組みだな」
SNS動画広告との比較と使い分け
社長:「YouTube広告が基本なのは分かったけど、Instagram広告やTikTok広告とはどう違うんだろう。どれを選べばいいのか」
あかり:「それぞれの広告媒体に特徴があるから、整理するね。まずYouTubeの特徴は、検索行動と連動できること、長尺動画を最後まで視聴する習慣がある層にリーチできること、そして30〜50代の利用者が多いことよ。不動産購入を検討するのがまさにこの年代層だから、相性が抜群なの」
あかり:「Instagram動画広告は視覚的な美しさが重要で、20〜30代の女性ユーザーへのリーチに強いわ。物件の内装やインテリアの美しさを伝えるには向いているけど、購入検討中の層に絞りにくい面もあるの。TikTok広告は10〜20代への情報提供には有効だけど、高額な不動産購入を検討する年代とはずれがあるわ」
社長:「なるほどな。媒体ごとに向いている役割が違うんだな」
あかり:「そういうこと。各SNSプラットフォームの特徴をまとめると以下のようになるわ」
⚫︎YouTube広告
30〜50代・長尺視聴・検索連動・不動産との相性が最も高い
⚫︎Instagram広告
20〜30代・ビジュアル重視・物件の美しさを伝えるブランディング向け
⚫︎TikTok広告
10〜20代・短尺縦型・若い世代への企業認知拡大に有効
あかり:「不動産業界の事例を見ると、まずYouTube広告で購入検討層に物件情報を届け、Instagramで物件の世界観をブランディングする、という使い分けが効果的ね。最初から複数媒体を同時に運用するのはコストも手間もかかるから、まずYouTubeから始めるのが現実的なの」
社長:「媒体ごとに特徴が全然違うんだな。なるほど、使い分けが大事ってことか」
7.動画広告のデメリットと注意点
制作コストと手間
社長:「メリットは分かった。でも、動画って作るのが大変そうで……」
あかり:「それが最大のデメリットよ。テキスト広告やバナー広告と違い、動画制作には撮影・編集・構成の専門知識が必要なの。制作内容やクオリティによって費用は大きく変わるし、広告として成果を出すためには戦略から映像設計まで一貫して考える必要があるわ」
社長:「やっぱり専門的な話になってくるんだな」
あかり:「特に不動産の内覧動画は、物件の魅力をどう切り取るか、どの順番で見せるか、テロップをどう入れるかで視聴完了率が全然変わるのよ。感覚でやると、せっかくの物件が魅力的に見えない動画になってしまうことも多いの。だからこそ、広告として使う動画は戦略と映像のプロに相談することで、費用対効果が大きく変わるわ」
社長:「確かに、中途半端なクオリティの動画を広告に使っても逆効果になりそうだしな」
あかり:「そう。動画広告は『とりあえず出す』より、目的に合った構成と映像で作ることが費用対効果を左右するの。制作の段階から広告運用を見据えて設計できるかどうかが、成果の出る動画と出ない動画の分かれ目ね」
スキップされるリスク
スキッパブル型のインストリーム広告は5秒後にスキップ可能になるため、最初の5秒で視聴者の興味を引けないと、ほぼすべての人にスキップされてしまいます。
あかり:「視聴率(視聴完了率)が著しく低い場合、費用は抑えられるけど、ブランド認知もほとんど広がらないの。広告は表示されているのに効果がゼロ——という状態は、スキップが主な原因よ」
最初の5秒に何を置くかが、動画広告の成否を大きく左右します。
効果測定の難しさ
社長:「動画を見た人がどれだけ問い合わせしてくれたか、どうやって測るんだろう」
あかり:「これが動画広告の難しいところでね、テキスト広告のような『クリックして即コンバージョン』という直線的な効果測定がしにくいの。動画を見てから数日後に検索して問い合わせる、という間接的な効果も多いのよ」
社長:「たしかに、見たその場で問い合わせるとは限らないもんな」
あかり:「そうなの。だから動画広告の効果測定では、視聴率(視聴完了率)・再生数・CTR(クリック率)・コンバージョン数を組み合わせて見る必要があるの。単一の指標だけを追いかけると、広告の本当の効果を見誤るリスクがあるわ」
8.費用体系の基本:CPV・CPM・CPC
CPV(視聴課金)
あかり:「CPVはコスト・パー・ビューの略で、動画が規定時間以上視聴された場合に課金されるの。ただ、スキップされた場合は課金されないから、興味のある人だけに費用をかけられるわ」
社長:「どれくらいの金額感なんだ?」
あかり:「CPVの料金相場は媒体や業種によって異なるけど、日本市場では1視聴あたりの単価が数円〜20円程度が一般的なの。不動産など競合が多い業種では高くなる傾向があるわ」
社長:「視聴されなければ払わなくていいのか。それは安心だな」
あかり:「逆に言えば、スキップされまくってしまうと認知拡大の効果がほとんどないのよ。CPVモデルは費用管理に優れているけど、それだけに最初の5秒の品質が費用対効果を決めるわ」
あかり:「内覧希望者を獲得したい不動産会社の場合、CPVモデルを活用することで『物件動画に30秒以上関心を持ったユーザー』だけに課金できるの。これは費用管理の観点から非常に合理的よ」
CPM(インプレッション課金)
あかり:「CPMはコスト・パー・ミル、つまり1,000回表示されるごとに課金されるモデルね。ノンスキッパブル型のインストリーム広告はこのCPMが基本なの。スキップできない分、確実にブランド名を見せられるけど、興味のない人にも表示されるわ」
社長:「認知を広げたいとき向きってことか」
あかり:「そうね。CPMは認知拡大やブランディングを目的とする場合に適しているの。特定のエリアや属性に対して繰り返し訴求したい場合にも有効よ」
CPC(クリック課金)
あかり:「CPCはクリックが発生した場合のみ課金されるモデルよ。動画広告では比較的少ないけど、問い合わせやコンバージョン獲得を目的とした配信で使われることがあるの」
社長:「整理すると、認知拡大ならCPMとノンスキッパブル型、興味のある人だけにリーチするならCPVとスキッパブル型、問い合わせ獲得ならクリックやコンバージョンを意識した配信——という感じかな」
あかり:「おおよそそのイメージね。目的と予算に合わせて、インストリーム広告の中でもどの見せ方を選ぶか、あるいはどの配信設計にするかを考えることが、動画広告を効率的に運用して費用対効果を最大化するポイントよ」

9.動画広告を成功させるポイント
最初の5秒が勝負
社長:「結局、成果を出すには何が一番大事なんだ?」
あかり:「まず大前提として、スキップ可能な動画広告で視聴を確保するには、最初の5秒にすべてのリソースを集中させることが必要なのよ」
社長:「最初の5秒か」
あかり:「そう。よくある失敗パターンは『会社ロゴとBGMで始まるオープニング』なの。視聴者は自分に関係のないものを5秒かけて待たないわ」
あかり:「例えば、不動産の物件動画なら、最初の5秒にその物件の一番の売りを映すの。眺望が魅力なら、最初の1秒で高層階から見た景色を入れる。内装が広ければ、LDKの全体像から始める。見た瞬間に『おっ』と思わせることが、スキップを回避する唯一の方法よ」
社長:「つまり、一番見せたいシーンを最初に持ってくる、か」
あかり:「そう。映画の予告編が面白いシーンから始まるのと同じ発想ね。視聴者に『続きが見たい』と思わせることが最優先なの」
音声オフでも伝わるデザイン
社長:「でも、音を出さずに見てる人も多そうだよな」
あかり:「その通りよ。YouTubeやSNSの動画は、音声をオフにした状態で閲覧されることが少なくないの。特にスマートフォンでの視聴中、公共の場所やながら見の場面では音声がオフのまま再生されるわ」
あかり:「テキストテロップを適切に入れることで、音声なしでも内容が伝わる動画を作ることが大事なの。『宮崎市内・築浅・2LDK・5,000万円以下』といった物件情報を、映像に重ねてテロップで表示するだけで、音声オフの視聴者にもメッセージが届くのよ」
明確なCTA(行動喚起)
社長:「見てもらえたとして、その先にどうつなげるかも大事だよな」
あかり:「そう。動画の最後に『次に何をしてほしいか』を明確に伝えることがコンバージョンを生む鍵なの」
社長:「『次に何をしてほしいか』か……」
あかり:「ええ。『詳細はこちら』ではインパクトが少なく、弱かったりするの。『宮崎の物件一覧を見る』『今すぐ無料で内覧予約』など、具体的な行動を促す言葉を使うと、CTRとコンバージョン率が変わってくるわ」
あかり:「行動喚起を強めた動画広告はCTAボタンを動画上に表示する機能があるから、視聴者の視線がある状態で直接アクションに誘導できるのよ」
10.動画広告の効果測定と運用管理
社長:「広告を出し始めたあと、どうやって効果を確認すればいいんだろう。数字がたくさんあってどれを見ればいいのか分からなくなりそうだ」
あかり:「それは大事なポイントね。動画広告の運用管理で最も大切なのは、最初から測定の方法を決めておくことなの。何を見るか決めずに始めると、データはあっても活かせないわ」
社長:「最低限、何を見ればいいんだ?」
あかり:「Google広告の管理画面で最低限確認すべき指標は以下の4つよ」
☑️視聴率(視聴完了率)
動画を最後まで見た割合。25%・50%・75%・100%の時点での離脱率を確認できる。視聴率が低い場合は動画の内容や最初の5秒に問題があるサインよ
☑️CPV(1視聴あたりコスト)
費用効率の把握。同じ予算でより多くの視聴を得られているか確認する
☑️CTR(クリック率)
動画を見た後にリンクをクリックした割合。CTAの設計が適切かどうかを示す指標ね
☑️コンバージョン率
クリック後に実際に問い合わせや申し込みに至った割合
あかり:「不動産業界で特に重視してほしい指標は、内覧申込数と物件問い合わせ数なの。この記事で紹介した戦略の成否は、最終的にはこの数字で判断するのよ。Google広告のコンバージョントラッキングと、GoogleアナリティクスをGoogle広告に連携させることで計測できるわ。設定は少し手間がかかるけど、これがないと動画広告の本当の効果が分からないのよ」
社長:「その連携の設定って難しいの?」
あかり:「GoogleアナリティクスのGA4アカウントとGoogle広告を管理画面上でリンクするのが基本の方法ね。問い合わせフォームの送信完了ページをコンバージョンとして設定しておくと、どの動画広告が問い合わせを生んでいるかが分かるの。これで運用の方向性が明確になるわ」
社長:「なるほどな。出したあとも見直し続ける必要があるわけだ」
あかり:「そう。効果を継続的に改善するには、週1回の数値確認サイクルを作ることをおすすめするわ。毎週月曜日に先週の数値を確認し、視聴率が低い広告の改善、CTRが高い広告の予算増額を判断する——このルーティンを行うだけで、運用コストに対するリターンが大きく変わるの。目標を達成するためのPDCAを意識的に回すことが、動画広告の支援ツールとして大きな効果をもたらすのよ」
A/Bテストで改善する
あかり:「A/Bテストも活用してほしいわ。同じターゲットに対して、最初の5秒が異なる2つのパターンのクリエイティブを用意して比較するの。不動産の成功事例では、物件の外観から始まるパターンとLDKの内装から始まるパターンで視聴率が大きく変わることがある。データで比較すれば、どちらが効果的かが客観的に分かるのよ」
社長:「なるほど、試しながら改善していく感じか。それなら始める前から完璧を目指さなくていいな」
あかり:「そう。最初は小さく始めて、数値を見ながら成果を積み上げていく。実績が積み重なるほど、最適な運用方法が見えてくるわ。それが動画広告の運用管理の正しい進め方よ」
11.よくある失敗とその対策
社長:「動画広告でよくある失敗ってどんなもの?」
あかり:「大きく3つあるわ。順番にお話しするね」
失敗1:ターゲティングが広すぎる
あかり:「『宮崎市在住の全員』に配信しても、不動産を検討していない人には広告が届いても意味がないの。ターゲティングを絞ることで、無駄な費用を削減し、動画広告の費用対効果を高めることができるわ」
対策:
「宮崎市在住 × 30〜50代 × 不動産・住宅購入への興味あり」など、複数の条件を組み合わせたターゲティングを設定する。
失敗2:動画の尺が長すぎる
あかり:「『伝えたいことが多い』という気持ちは理解できるけど、尺が長いほどスキップされやすくなるの」
対策:
15〜30秒の動画に絞り込む。伝えたいメッセージを1本の動画につき1つに限定する。複数のメッセージがある場合は複数の動画に分ける。
失敗3:ランディングページとのミスマッチ
あかり:「動画で『宮崎の高級マンション』を訴求しているのに、クリック先が会社のトップページでは離脱率が高くなるわ」
対策:
動画広告の内容に合わせた専用のランディングページ(または物件詳細ページ)を用意する。視聴後のリターゲティングも含め、ユーザーの購買フローをあらかじめ設計しておく。
あかり:「特に3つ目のミスマッチは、動画広告の費用が無駄になる最大の原因なの。動画で興味を引いた後、着地点でがっかりさせてしまうと、コンバージョンが一切生まれないわ。動画だけでなく、その先の体験まで設計することが大切よ」
社長:「広告の後のことまで考えないといけないのか。なるほど、確かに」
12.まず取り組むべき3つのこと
あかり:「じゃあ、まず何から始めるかをお伝えするね。動画広告の経験がない状況で、最初に取り組むべきことを3つにまとめたわ。」
ステップ1:目的とターゲットを明確にする
あかり:「動画広告で失敗する一番の原因は、目的が曖昧なまま制作を始めることなの。『認知を広げたいのか』『問い合わせを増やしたいのか』によって、動画の構成も尺も訴求内容もまったく変わるわ。まずは自社の課題を整理して、広告運用まで見据えた提案ができる制作会社に相談することが、遠回りのようで一番の近道よ」
社長:「なるほど、目的を決めてから動かないといけないんだな」
あかり:「制作の段階から運用戦略を組み込んでおくことで、広告を出した後のPDCAもスムーズに回せるの。後から直そうとすると、動画を撮り直す費用がかかることも多いから、最初の設計が肝心なのよ」
ステップ2:Google広告で動画広告をテスト配信する
あかり:「制作した動画をまず少額でテスト配信して、視聴率やCTRのデータを取るのが次のステップね。『宮崎 マンション購入』『宮崎 一戸建て 購入』などのキーワードをターゲティングに設定して、どんな反応が得られるかを測定するの」
社長:「実際に数字が出てきてからが本番って感じか」
あかり:「そう。CPVモデルだからスキップされれば課金されないわ。最初は小さく始めて、データを見ながら改善していく——この姿勢が動画広告を育てるコツよ」
ステップ3:視聴者へのリターゲティングを設定する
あかり:「動画を一定時間視聴したユーザーは、その物件に興味を持っている可能性が高いわ。このユーザーをリストに登録して、物件問い合わせを促す追加の広告でリターゲティングするの。動画は認知と興味喚起、リターゲティングはコンバージョン獲得——この役割分担で設計することで、動画広告の費用対効果が大きく変わるのよ」
社長:「段階的に始めて、データを見ながら育てていく感じか。それなら始められそうだ」
あかり:「まず目的を明確にして、戦略から動画制作・運用まで一貫して設計することが成功への近道ね。ひとつひとつ着実に積み上げていきましょ」
それじゃ、今夜もあなたのビジネスにちょっと効く『マーケティングの一杯』を。
叶 あかり
✅まとめ
⚫︎動画広告の本質的な強みは「時間軸」。テキスト広告やバナー広告では伝えられない、物件の雰囲気・広さ・立地の魅力を30秒で体感させることができる。視覚と聴覚の両方に働きかけることで、視聴者の行動変容を促す力が強い。
⚫︎広告媒体の使い分けが重要。YouTube広告は30〜50代・検索連動・長尺視聴という特徴から、不動産との相性が最も高い媒体。Instagram広告やTikTok広告は年代層と目的に応じて補完的に活用する。
⚫︎主な種類はインストリーム広告とアウトストリーム広告。そのうちインストリーム広告は、スキッパブル型とノンスキッパブル型で整理すると理解しやすい。スキッパブル型は興味のある人に絞って届けやすく、ノンスキッパブル型は短い時間で確実に認知を取るのに向いている。
⚫︎動画制作は戦略と映像を一体で設計することが重要。広告として成果を出すには、目的・ターゲット・構成・訴求内容を明確にした上で、広告運用まで見据えた制作が必要。制作の段階から運用を意識した設計ができるかどうかが、費用対効果を左右する。
⚫︎費用体系は目的で選ぶ。認知拡大ならCPMとノンスキッパブル型、興味のある人への情報提供ならCPVとスキッパブル型、問い合わせ獲得なら行動喚起を強めた配信設計という使い分けが基本。
⚫︎成功のカギは最初の5秒。スキップ可能な広告では、最初の5秒に物件の最大の魅力を集中させることが視聴率を左右する。音声オフでも伝わるテロップ設計と、明確なCTA(行動喚起)が視聴後のコンバージョンを生む。
⚫︎効果測定と運用管理を仕組み化する。視聴率・CPV・CTR・コンバージョン率の4つを週1回確認するサイクルを作る。GoogleアナリティクスとGoogle広告を連携させて、内覧申込数・物件問い合わせ数という不動産業界特有の指標を追う。A/Bテストでクリエイティブを比較し、データをもとに継続的に改善する。成果が出るまで最適化を繰り返すことで実績が積み上がり、次の施策への判断材料になる。
⚫︎よくある失敗3つを避ける。ターゲティングが広すぎる・動画の尺が長すぎる・ランディングページとのミスマッチ、この3つが動画広告の費用を無駄にする主な原因。特にクリック後の着地点まで設計することが重要。
⚫︎まず始める3ステップ。目的・ターゲットを明確にして制作会社に相談する→Google広告で動画広告を少額でテスト配信する→視聴者へのリターゲティングを設定する。戦略から制作・運用を一貫して設計することで、無駄な費用を抑えながら成果を積み上げられる。
💡FAQ
Q1. 動画広告はどんな目的に向いていますか?
動画広告は「認知拡大」「ブランディング」「興味・関心の喚起」に特に向いています。商品やサービスの世界観・使用感・雰囲気を伝えるのに優れており、テキスト広告やバナー広告では伝えにくい情緒的な価値を届けることができます。一方で、即時のコンバージョン獲得(購入・申し込み)だけを目的とする場合は、リスティング広告との組み合わせが効果的です。
Q2. 動画広告の最低予算はいくらから始められますか?
YouTubeの動画広告はGoogle広告経由で出稿でき、キャンペーンの最低予算に大きな制限はありません。実運用では月1〜3万円程度のテスト予算でも配信可能です。ただし予算が少ないほどデータ収集に時間がかかるため、効果測定や改善サイクルを回すためには月5万円以上を目安にすることを推奨します。
Q3. 動画制作の費用はどのくらいかかりますか?
動画制作の費用は、動画の尺・内容・クオリティ・制作会社によって大きく異なります。30秒のシンプルな広告動画から本格的なブランド動画まで、目的や訴求内容に応じた設計が必要です。広告として成果を出すには、撮影・編集の品質だけでなく、構成の戦略や配信後の運用設計まで含めてトータルで考えることが重要です。まずは目的と予算を整理した上でプロに相談し、費用対効果の高いプランを提案してもらうのが近道です。
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