〜BARで学ぶリアルマーケティング〜|第2話 マーケティングってナニ?

こんばんは、BAR『月灯り』のバーテンダー、叶あかり(28)です♡
先日、いつものようにカウンターでグラスを傾けていた常連の社長さんから、
こんな問いかけをされたの。
社長:「ねぇ、あかりさん。“マーケティング”って、結局何?
営業と何が違うの?売るための小手先のテクニックみたいなもん?」
あかり:「急にどうしたんです?」
社長:「うちは延岡で金属加工の工場をやってるんだけど、親父の代からの付き合いで仕事が回ってきてたのよ。
昔ながらの飛び込み営業とかFAXの注文書とか…まぁ、そういうのが当たり前だった。
でも最近は、隣の県の業者に仕事を取られたりしててさ…。
この前、同業の経営者が集まる勉強会に出たんだけどね、
“うちはSNS活用して問い合わせが倍に増えた”とか、
“マーケティングチーム作って商圏を広げてる”とかって話が飛び交っててさ。
正直、内容がさっぱり分からなかった。
従業員に聞いても『ネットで宣伝することですかね?』ってあやふやでさ。
そのとき、自分が何も言えなかったのがちょっと悔しくて。」

——この瞬間、わたしの中で氷のように冷たいカクテルが一杯、
すっと出来上がった気がした。
あかり:「社長、マーケティングってね——
“売る技術”じゃなく、“売れ続ける仕組み”のことなの。」
たとえば、こんな光景を想像してみて。
うちのマスターが、新作のオリジナルカクテルを完成させたとして。
でも、その存在を誰にも知らせず、ただカウンターに置いているだけじゃ
…注文されることはまずない。
だからこそ必要なのが、“マーケティング”。
誰に飲んでもらいたいのか?(常連さん?出張中のビジネスマン?)
どんな言葉で伝えるのか?(「柚子の香り」など嗅覚に訴える?)
どこで知ってもらうのか?(SNS?食べログ?)
この「戦略設計」こそが、マーケティングの本質です。
つまり、“売る前”の準備が、未来の売上を決めるの。
社長:「……なるほど。それなら俺も、やれるかもしれないな。」

あかり:「それに、今の広告は昔と違って“広く浅く”じゃなく、“狭く深く”なの。
『○○地域のウイスキー好き男性・40代』に向けて、SNSで1日500円だけ広告を出す—
そんなピンポイントの戦いが、当たり前になってるのよ。」

最後に。
マーケティングとは、「売り込む」ことじゃない。
「相手を深く理解し、必要なタイミングで、必要なものを届けること」。
まるで、大切な人に贈るプレゼントを選ぶように。
経営もまた、そんな“思いやりの設計”が問われる時代なの。
それじゃ、今夜もあなたのビジネスにちょっと効く「マーケティングの一杯」を。
叶 あかり
■ 次回予告|デジタルマーケティングってなに?
第3話では、ネット広告を始めたばかりのベンチャー役員が抱えた、ある疑問がテーマに。
「クリックはされるのに売上につながらない」
その背景にあるのは“広すぎるターゲット設定”や“数字の読み違え”など。
Bar「月灯り」のバーテンダーでナビゲーターでもある叶あかりが、広告の成果を可視化し、改善していく「デジタルマーケティング」の基本的な考え方を丁寧にナビゲート。
次回もお楽しみに。
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架空のBAR「月灯り」で働くバーテンダー叶あかりが
シェイカー片手に、あなたのビジネスに効く”処方箋”を調合します。
=叶 あかり=
会員制BAR『月灯り』6年目/好きな酒は山崎18年・木挽BLUE/
最近の悩みは彼氏の蕎麦打ち粉が制服に付くこと