〜BARで学ぶリアルマーケティング〜|第4話“デジタル迷子”脱出の第一歩〜戦略なきマーケティングが失敗する理由〜

こんばんは、BAR『月灯り』のバーテンダー、叶あかり(28)です♡
先日、創業百年を超える老舗旅館の女将さんがお越しになって、こう呟いたの。
「今まで色々宣伝はしてきたんだけどね、
最近はデジタルのことも、
きちんと向き合わなきゃと思ってるのよ。
ただ……どこから始めればいいのか、さっぱりで」
そっとうつむく横顔も美しい女将さん。
「SNSにしても、メルマガにしても、みんなやってるとは聞くけど……
うちの宿に、何が向いているのかも分からなくて」
最近、同じように“デジタルの波”に戸惑う女将さん、とっても多いの。
あかり:「老舗旅館ならではの“おもてなし”が息づいてる分、
言葉にしづらいものもあるわよね」
女将:「そうなのよ。うちは空気とか、間とか、そういうのを大事にしてきたから……
それをSNSで“映え”に変えるって言われても、正直ピンとこないの」
あかり:「でもね、女将さん。デジタルって“空気”も“間”も伝えられるの。
ただし、そのためには“地図”が必要なの」
女将:「地図?」
あかり:「ええ。たとえば……
“どんなお客様に、どんな時間を届けたいのか”って、
改めて描いてみたことはある?」
女将:「……うーん、それは……いつも接客では意識してるつもりだけど、
言葉にしたことはなかったかも」あかり:「だったら、今がそのタイミングかも♡
お客様が
“どこでこの宿を知って”
“どう期待を膨らませて”
“どんな瞬間に感動するか”——
そういう流れを
“カスタマージャーニーマップ”
という形で見える化するの」

女将:「なるほどねぇ……お客様の旅の道のりを、私たちも一緒にたどる感じね」
あかり:「まさに、それ♡
そしてBtoC(企業が個人の消費者に対して商品を提供するビジネス)なら、
“AISASモデル”という考え方もおすすめ。
認知(Attention) → 興味(Interest) → 検索(Search) → 行動(Action) → 共有(Share)。
お客様が“また行きたい”“誰かに話したい”と思う導線を整えるヒントになるのよ」

女将:「ふふ、なんだか少しずつ見えてきた気がするわ。
デジタルって冷たいものだと思ってたけど、
人を想う気持ちを伝える道具にもなるのね」
あかり:「その気づき、とっても素敵♡
マーケティングは“発信”ではなく“おもてなしの延長”なの」
ふっと、お湯が湯のみを満たす音がした。
それじゃ、今夜もあなたのビジネスにちょっと効く「マーケティングの一杯」を。
叶 あかり
■ 次回予告|“やること”ではなく“やる理由”から始めよう!
第5話では、SNSに取り組むも成果を感じられない飲食店経営者が登場。
モヤモヤの背景には、“目的がないまま始めてしまった”という構造的な課題がありました。
叶あかりが、ビジネスゴールを明確にする「KGI」の考え方と、
現場が動ける“数字で示す目標”の立て方を、わかりやすくナビゲートします。
次回もお楽しみに。
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架空のBAR「月灯り」で働くバーテンダー叶あかりが
シェイカー片手に、あなたのビジネスに効く”処方箋”を調合します。
=叶 あかり=
会員制BAR『月灯り』6年目/好きな酒は山崎18年・木挽BLUE/
最近の悩みは彼氏の蕎麦打ち粉が制服に付くこと