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BARで学ぶリアルマーケティング
第19話|WBSとは?ガントチャートとの違いと、KPI達成のためのプロジェクト管理

はじめから読む▶︎第1話:自己紹介
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こんばんは、BAR『月灯り』の叶あかりです♡
前回のKPI達成施策のお話の流れで、社長さんがぽつりとつぶやいたの。
社長:「あかりさんの説明で優先順位の軸とか、工数の考え方はだいぶ分かってきたよ。
でも実際には、メンバーも限られていて……
“どこまでやれるのか”をどう判断したらいいんだろう?」
あかり:「じゃあ、一緒に整理していきましょう♡」
動員人員と計画の照合
社長:「うちでフルコミットできるメンバーは、実質4人くらいかな」
あかり:「じゃあ、ざっくり計算してみるといいわよ」
- プロジェクトにフルで関われるメンバー:4人
- 3か月で使える仕事量:4人 × 3か月 = 12人月(MM)
あかり:「この“12人月”っていう枠を無視して、
合計20人月かかりそうな施策を詰め込んでしまうと、どう頑張っても破綻してしまうの」
社長:「たしかに…… “忙しくなるがなんとかなる”を前提に計画していたかもしれないな」
あかり:「そうなのよ。 だから、まずは“現実的に使える工数の上限”を決めてあげること。
・その上で、同じ工数なら、KPIへの影響度が高い施策から
・影響度が低いものは、後回しや別フェーズに分ける
って考え方にしていくの」
社長:「“やりたいこと全部”じゃなくて、 “限られた工数の中で一番効くもの”を選ぶって感じだね」
あかり:「そういうことなの」
WBSによる施策の作業分解
社長:「ただ、工数を見積もろうとしても、
“LP制作:1か月”みたいなざっくりした書き方しかできないんだよね」
あかり:「そこで使うのが、 WBS(Work Breakdown Structure/作業分解構成)なの」
社長:「名前だけ聞いたことあるけど、ちゃんとやったことはないなぁ」
あかり:「WBSはね、施策の実行に必要な作業を、 もれなく洗い出して一覧にしたものなの。
たとえば「新商品ページ制作」なら——
・目的・ターゲット整理
・必要な情報・素材の洗い出し
・商品写真の撮影
・原稿作成
・デザイン制作
・コーディング
・動作確認・修正
・公開・計測設定
社長:「こうやって分けると、 “どこで誰の手が必要か”も見えてくるね」
あかり:「そうなの。 作業が分解されると、
“どの作業がどれくらい大変か”も見えてくるから、工数の見積もりもしやすくなるわよ」
社長:「『LP作る』の一言じゃ、
撮影や原稿づくりの手間がすっぽり抜けちゃうこともあったな……」

ガントチャートで進行状況の見える化
社長:「それで、WBSで作業を分けたあとって、どう管理していけばいいの?」
あかり:「そこで登場するのが、ガントチャートなの」
社長:「ああ、横棒のスケジュール表みたいなやつだよね?」
あかり:「そう、それ。
各作業の開始日・終了日、担当者、タスク同士の前後関係を横軸時間で並べるのよ。
そうすると——
・どこが詰まりそうか
・誰の負荷が高すぎるか
・どのタスクが遅れているか
が、一目で分かるようになるの」
社長:「うちも一応、管理シートは作ってるけど…… 正直、僕と管理担当しかちゃんと見てないかもしれない」
あかり:「それはもったいないの。 ガントやWBSってね、
“関係者全員の共通カレンダー”みたいなものなのよ」
社長:「たしかに、現場メンバーが“今プロジェクトがどのあたりか”分かってないと、
ただ目の前の仕事をこなしてるだけ、って感じになっちゃうね」

WBSとガントチャートの共有
あかり:「WBSやガントチャートを共有するとね、プロジェクトの空気が変わるのよ」
社長:「どう変わるの?」
あかり:「たとえば——
・進捗会議が「根性論」や「反省会」ではなくなる
・ボトルネックが早めに見つかる
・応援が必要な場所が明確になる
あかり:「『遅れてます』『頑張ります』じゃなくて、
『このタスクに1人追加しよう』『ここは作業範囲を見直そう』
みたいな会話ができるようになるの」
社長:「ああ、その違いは大きいね。
うちの会議、たしかに“頑張ろう”で終わることが多かったかもしれない。
明日、早速会社でこの話をしてみるよ」
そう笑った社長の表情は明るく、霧が晴れたようだった。
それじゃ、今夜もあなたのビジネスにちょっと効く『マーケティングの一杯』を。
叶 あかり
✅ まとめ
⚫︎動員可能人員と期間から工数を算出し、その範囲内で施策を設計する。
⚫︎WBSで施策をタスクに分解し、ガントチャートでスケジュールと進捗を可視化する。
⚫︎WBSとガントチャートを関係者全員で共有し、プロジェクトの現在地を常に共通認識にする。
💡FAQ
Q. WBSに書き出す作業は、どこまで細かく分解すべきか?
A.担当者が迷わず着手できる粒度まで分解し、それ以上は細かくしすぎない。
Q. ガントチャートはどのツールで作成するのがよいか?
A.小規模ならExcel/スプレッドシートで十分。
Q. WBSやガントチャートを共有しても、メンバーが見てくれない場合はどうするか?
A.定例会議で必ずWBS・ガントチャートを参照し、「見ている前提で話す」運用に切り替える。
「売上を伸ばしたいけど、どこから手をつければ、、」
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■ 次回予告|体制と役割ってどう決める?デジタルマーケプロジェクト手順
第20話は、「デジタル担当=兼任」になりがちな中小企業の現場を舞台に、
サイロ化した情報と“役割のあいまいさ”が、なぜデジタルマーケティングのブレーキになるのかを紐解く回。
一人に仕事が集中してしまう背景を整理しながら、
社内の関係者マップづくりと、誰がどの役割を担うのかという
「デジタルマーケ体制づくり」の最初の一歩を描いていきます。
次回もお楽しみに。
架空のBAR「月灯り」で働くバーテンダー叶あかりが
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=叶 あかり=
会員制BAR『月灯り』6年目/好きな酒は山崎18年・木挽BLUE/
最近の悩みは彼氏の蕎麦打ち粉が制服に付くこと
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ハナビヤ広報室