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HOMENEWS第18話|KPI施策の優先順位と工数設計の基本〜優先順位の軸と工数の考え方〜

第18話|KPI施策の優先順位と工数設計の基本〜優先順位の軸と工数の考え方〜

BARで学ぶリアルマーケティングとは
▶︎第1話:自己紹介

こんばんは、BAR『月灯り』の叶あかりです♡

カウンターにやってきたのは、宮崎で農産物の加工と卸をしている社長さん。

社長:「あかりさん、ちょっと相談があってね。

販路拡大のプロジェクトを進めてるんだけど……

KPIは決めたのに、“どの施策を優先すべきか”が全然整理できなくて」

あかり:「どれから手をつけていいか、迷っている状況なのね?」

社長:「そうなんだよ。

『新商品ページ作成』『SNS強化』『商談会出展』『提案資料づくり』……

やることはたくさんあるのに、人も多くないから全部はできなくてね」



優先順位の判断軸


あかり:「優先順位が決まらないときって、
“判断するための軸”が抜けていることが多いのよ」
施策を比べるときに、最低限そろえておきたい軸はこの3つ。

  • 工数:どれくらいの時間・人数が必要か
  • 費用:どれくらいお金がかかるか
  • KPIへの影響度:目標数字にどれだけ効きそうか

あかり:「この3つを並べてみるとね、
“なんとなく手っ取り早そうだからやる”って進め方からサヨナラできるのよ」


社長:「たしかに……今まで、勢いで決めてた部分もあるかもしれないな」



工数の数値化


あかり:「まずは工数を“数字”にするの。
工数は、「人数 × かかる日数」で考えるのよ。
例えば、
1人で10日かかる作業 → 1人 × 10日 = 10人日(MD)
2人で5日かかる作業 → 2人 × 5日 = 10人日(MD)

ちなみにね、MDはMan-Day(マンデー)=人日、MMはMan-Month(マンマンス)=人月のことで、どれくらいの人がどれくらいの期間動くかを表す単位なの。」

社長:「なるほどね。」

あかり:「こうやって数字にしてあげるとね、
人数が変わっても、かけ合わせた数字が同じなら、
必要な“工数”は同じ
ってことが分かるの」

社長:「今まで現場と『1か月くらいかかりそう?』みたいな会話ばかりしてたけど、
これなら、施策同士を比較しやすくなりそうだね」
あかり:「そうね♡
“なんとなく多そう”じゃなくて、一度数字にしてあげると、全体がクリアになるわよ」



費用の視点


社長:「工数を数字にするのは、すごく腹落ちしてきたよ。
でも、費用はどう考えればいいんだろう?」

あかり:「費用もね、“ざっくり総額”じゃなくて、
“このKPIをどれだけ押し上げるために、このコストを使うのか”
ってセットで見てあげるといいのよ」

社長:「たとえば、どんな感じで?」

あかり:「たとえば——」

商談会に出展:ブース代・旅費・人件費を合わせて 50万円

既存顧客向けにメール施策:ツール費・原稿作成で 10万円

あかり:「金額だけ見ると、商談会のほうが高いわよね。
でも、“新規リードを100件取れる可能性がある施策”と、
“既存顧客のリピートをちょっとだけ後押しする施策”では、
同じ『50万円』『10万円』でも意味が違ってくるの」

社長:「なるほど。単に“安い・高い”じゃなくて、
“どんなKPIにどれくらい貢献するコストか”で見たほうがいいわけだね」

あかり:「そうそう。
だから、費用は“金額だけで良し悪しを判断するものじゃなくて、
工数とKPIへの影響度とセットで見る数字”
なの」



KPIへの影響度の視点

社長:「KPIへの影響度って、なんとなく感覚で話してしまいがちなんだよね」

あかり:「イメージしやすくするには、
“売上までのどの地点に効く施策か”で考えるといいのよ」

社長:「どの地点?」

あかり:「たとえば、同じ工数・同じ費用でも、
“すでに見込み客になっている人”に効く施策と、
“まだ興味を持っていない人”に効く施策では、
売上までの距離が違うのよ」

社長:「たしかに、
既存取引先への提案資料を改善するのと、
新規向けに広く認知を取る施策だと、同じ1件の反応でも重みが違うね」

あかり:「そうなの。
だからKPIへの影響度を考えるときは、

どの段階の数字が動きそうか

その数字が最終KPI(売上や利益など)につながる距離はどれくらいか

を、ざっくりでもいいから言語化してみてほしいの」

社長:「なるほどなぁ。
一度ちゃんと整理して話した方がよさそうだね」

あかり:「そうね♡
次は、“実際に動かせる人員とどうバランスを取るか”と、
“WBSやガントチャートをどう使うか”のお話をしましょうか」

それじゃ、今夜もあなたのビジネスにちょっと効く『マーケティングの一杯』を。

叶 あかり


✅ まとめ

  • 優先順位を決める軸は『工数』『費用』『KPIへの影響度』の3つ。
  • 工数は “人数×日数=MD/MM” で数字にして比較すること。
  • 感覚で決めずに、施策同士を『同じ物差し』で比べることが重要。

💡FAQ

Q. 工数(MD・MM)は、どれくらいの精度で見積もればよいか?
A.初期段階では概算でOK。施策同士を比較できるレベルの精度があれば十分。

Q. KPIへの影響度はどのように評価すればよいか?
A.成果までのプロセス上の「どの段階に効く施策か」で判断する。

Q. 工数と費用のどちらを重視すべきか?
A.人手や時間が不足しがちな組織では、費用より工数の制約を優先して検討する。

Q. 工数を見積もる前に確認しておくべきことは何か?
A.施策の目的と狙いを明確にしておくことが前提になる。


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BARで学ぶリアルマーケティングとは▶︎第0話:はじめに

■ 次回予告|KPI施策の優先順位と工数設計の基本〜WBSとガントで進捗を見える化〜

第19話では、「計画は立てたのに、いつも途中で崩れてしまう…」
そんな課題を抱えた同じ社長が、再びカウンターにやってきます。

人員も工数もぎりぎりの中で、
プロジェクトを最後まで“やり切る”にはどうすればいいのか。

叶あかりが、WBSとガントチャートを使った進捗の見える化と、
関係者全員で共有するための段取りを、わかりやすくナビゲートします。

次回もお楽しみに。

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=叶 あかり=



会員制BAR『月灯り』6年目/好きな酒は山崎18年・木挽BLUE/

最近の悩みは彼氏の蕎麦打ち粉が制服に付くこと


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