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遠山貴一のAI勉強日記
AIエージェントとは?宮崎の非エンジニア経営者がClaude Codeで作ってみた
宮崎の広告会社の経営者が、Claude CodeでAIエージェントを自分で作った。非エンジニアが、AIと対話しながら10人のAIチームを構築して、ブログとThreadsの運用を自動化した実体験を書く。
AIエージェントって言葉、最近めちゃくちゃ聞く。ニュースでも、SNSでも、経営者仲間の会話でも。で、僕も概念自体は知ってた。知ってたけど、ずっと引っかかってたことがある。
「自動化って、具体的に何を自動化すんの?」
これが正直な本音だった。自動化しましょう、効率化しましょうって言われても、じゃあ自分の仕事の何をどうAIに渡すのか、全然イメージが湧かなかった。
で、実際にやってみた。自分のブログとThreadsの運用を、AIエージェントのチームに任せてみた。10人体制。毎朝9:00に自動で起動して、僕が何もしなくても発信が回ってる。
……いや、10人て。僕より働いてるんだけど。
AIエージェントとは?普通のAIとの違いをざっくり解説
AIエージェントとは、目的とやり方を最初に設定しておけば、自分で判断して動くAIのことだ。普通のAI(ChatGPTやClaude)が「聞かれたら答える相談役」なら、AIエージェントは「自分で考えて動く社員」に近い。
普通のAIは、こっちが質問すると答えてくれる。「この文章を要約して」「メールの下書き作って」みたいな。便利だけど、毎回こっちから話しかけないと動かない。受け身なのだ。
AIエージェントは違う。データを取ってきて、分析して、文章を書いて、投稿までしてくれる。しかも毎日、勝手に。朝起きたら仕事終わってる。え、何それ。怖。
宮崎の広告会社がAIエージェントで自動化したこと
僕は宮崎で広告会社をやっていて、AI勉強日記とは別に「遠山貴一のひとりごと」というブログを書いている。そんで個人のThreadsの発信もしてる。ただ、ブログ書いて、投稿文も考えて、反応を分析して……って毎日やるのは、普通に無理だった。かといって外注すると、自分の言葉じゃなくなる。それは違う。
そこで、AIエージェントに「遠山貴一として発信する」仕組みを作った。
セクレタリーが全体を統括する司令塔。リサーチャーがネタを選ぶ。ブロガーが記事を書く。SEOアナリストがレビューする。ライターがThreadsの投稿文を作る。ポスターがThreads APIで実際に投稿。フェッチャーがいいねやリプライの数値を取得して、アナリストがそれを分析する。トレンドウォッチャーがGoogleアラートからトレンドを拾う。スーパーバイザーが毎朝9:00に全員を起動して、異常があれば検知する。
ざっくり図解するとこう

合計10人。ブログの制作ラインとThreadsの投稿ラインが連携して動いてる。
ミソはセクレタリー(秘書)を立てている事。こことは別に倉庫を作ってナレッジスペースを作っている。この2つが回す為のポイントになっている。
広告会社の経営者が、AIで広告会社の中にもう1個チーム作ってる。なかなか面白い構図だと思う。
ブログのストックが少なくなると、自動で記事を一括生成してmicroCMS(ブログの管理システム)に下書き保存。僕がまとめて確認・修正して、予約日に公開。公開されたらThreadsにも自動で投稿される。
AIエージェントにできること3つ|実際に使ってわかった
AIエージェントにできることは、大きく分けて「定型作業の自動化」「判断を伴う作業の自動化」「複数エージェントの連携」の3つだ。
1つ目は「定型作業の自動化」。毎日やるけど頭を使わない作業。投稿の予約、データの取得、数値の集計。これは人間がやる必要がない。というか、人間がやるのもったいない。
2つ目は「判断を伴う作業の自動化」。これがエージェントの本領。ネタを複数の候補から選ぶ、記事の品質をスコアリングして合格基準を満たさなければ書き直す、トレンドを拾って優先度をつける。単純な自動化じゃなくて、「考えて動く」ところがポイント。考えるんだよ、こいつら。マジで。
3つ目は「連携」。1つのエージェントだけじゃなくて、複数のエージェントがチームとして動く。リサーチャーが選んだネタをライターが受け取って文章にする、みたいな流れ。人間のチームと同じで、役割分担と引き継ぎがある。引き継ぎミスがないぶん、人間よりちゃんとしてる。これ言うと社員に怒られるけど。
Claude Codeで作った方法|非エンジニアの経営者がやった手順
Claude Codeとは、ターミナル(黒い画面)で動くAIコーディングツールだ。日本語で「こういう仕組みを作りたい」と伝えると、AIがコードを書いてくれる。僕のようなエンジニアじゃない人間でも、AIエージェントを構築できる。
ただ、最初からClaude Codeを使ったわけじゃない。
最初はCowork(AIコーディングツール)とターミナルとClaudeの3つを使って作った。Claude Codeは英語が多すぎて「これ読むくらいなら、コピペしてClaudeに聞いた方が早くない?」と思ってた。
だったらCoworkにある程度やらせた方が、手を動かさなくていいし速いだろうと。
……結果、Claude Codeで走らせた方が爆速だった。完敗。
なぜかというと、Coworkは指示したところ以外のコードまで勝手に上書きする。修正を頼んだら関係ない箇所が壊れてる。直したらまた別のところが変わってる。え!? さっき直したとこまた壊れてるんだけど!!
特にmicroCMSへの保存処理は、修正するたびに毎回壊される。毎回だよ? もう儀式として、修正後に「ちゃんと壊れてないか」を確認するコマンドを打つようになった。非エンジニアの経営者がターミナルでgrepコマンド打ってる。なかなかの構図だ。
Claude Codeはその点、指示したことだけをやってくれる。英語が多いのは慣れの問題で、やりたいことを日本語で伝えればちゃんと動く。最初からこっちにしておけばよかった。マジで。
AIエージェントの運用コスト|月額180円で10人が動く
このAIエージェントチームの月額コストは約180円($1.17)だ。記事生成にClaude Sonnet、判定処理にClaude Haikuを使い分けることで、コストを極限まで下げている。
月180円で10人のチームが毎朝動いてる。缶コーヒー1本分。いや、缶コーヒーより安い。何この時代。
AIに自分の分身を作る方法|Claudeに千本ノックで取材させた
仕組みを作るのも大変だったけど、1番苦労したのはそこじゃない。「AIに遠山貴一として書かせる」こと。これが圧倒的に難しかった。
最初、普通にAIに記事を書かせたら、まあきれいな文章が出てくる。でも全然違う。誰が書いても同じようなやつ。「遠山貴一のひとりごと」じゃなくて、「AIのひとりごと」になってた。お前誰だよ、ってなった。
どうしたかというと、まず僕の過去の情報を全部読み込ませた。これまで書いてきた手記、思っていたこと、経験してきたこと。とにかく全部。恥ずかしい文章も全部突っ込んだ。
その上で、Claudeに「遠山に取材して」と頼んだ。
そこからが千本ノックだった。Claudeが僕に質問してくる。「その時どう思いましたか?」「なぜそう判断したんですか?」って。それに答える。答えたらまた聞いてくる。答える。聞いてくる。答える。ひたすら繰り返した。インタビューされる側ってこんなに疲れるのか、と思った。
そしたら、ある程度の記事の下書きが出るようになってきた。「お、これはいいじゃん!」と思ったものに「これOKライン!」と伝えると、Claudeが自分で学習してくれる。「こういうトーンが正解なのか」と。逆に「これは違う」と言えば、そこも覚える。素直か。
で、下書きの精度が上がってきた後に取り組んだのが、感情を乗せる作業。
ここが「遠山貴一のひとりごと」の核心なんだけど、僕はこのブログで情報を伝えたいわけじゃない。感情を伝えたいんだ。こんな事があって、こんな事を思った。それを書いてる。ノウハウとか知識じゃなくて、「その時どう感じたか」が本体。
だからAIにも「事実を書け」じゃなくて「感情を書け」と教えた。「マジかよ!」って思ったなら「マジかよ!」って書け。「やべぇ」と思ったなら「やべぇ」って書け。きれいにまとめるな。そのまま出せ。
この調整が一番時間がかかったし、一番大事だった。
AIエージェント構築で気づいた最大の落とし穴|マネジメント経験がないと詰む
AIエージェントを構築するうえで最も重要なのは、組織のマネジメント経験だ。どの部署にどの能力を持ったエージェントを配置して、全体がきれいに回るように設計する。これは会社の組織づくりとまったく同じだった。
構築しながら気づいたんだけど、AIエージェントって「組織をマネジメントする」仕事そのものなんだ。
セクレタリーに何を判断させるか。ライターにどこまで裁量を持たせるか。品質チェックの基準を誰が決めるか。これ、普段の会社運営でやってることと同じ。え、これ僕の本業じゃん、ってなった。
うちは29人の組織で、各部署に能力者がいる。その能力者がどんな作業で苦しんでるかを見て、どこにAIを配置すれば楽になるかを判断する。この目がないと、AIエージェントは組めない。
で、ここから正直に書く。
マネジメント未経験の1人社長や、組織化できていない人が「AIエージェント組みますよ!」って言ってるのを見かけるけど、マジで眉唾だと思ってる。
だって絶対に課題解決につながらないもん。
組織の中のどこにボトルネックがあるか。どの作業を消せば全体が回るか。この判断ができるのは、実際に組織を運営して、社員の顔を見て、現場を知ってる人間だけだ。AI詳しい情報屋に任せても、こりゃ解決しないわ、とつくづく思った。
結局こういうことだ。マネジメントできない人がAI導入支援をして、「社長!ツール作っといたんで、後はあなた方で良いようにカスタムしてくださいね!」ってやると、そのツールは死ぬ。使われなくなる。だって、そのツールが解決すべき「本当の課題」を理解しないまま作ってるんだもん。そりゃ死ぬよ。
AIエージェントは道具であって、その道具をどこに配置するかは、組織を知ってる人間にしか判断できない。ここはマジで大事。
AIエージェントで会社の業務を自動化する|次にやること
最初に書いた疑問に戻る。「自動化って、具体的に何を自動化すんの?」
僕の場合の答えはこうだ。ブログを書くこと、Threadsに投稿すること、反応を分析すること。この一連の流れを、AIエージェントのチームに任せた。
ただし、全部を丸投げしてるわけじゃない。ネタの種になるメモは自分で書いてるし、出来上がった記事は必ず自分で確認してる。AIが嘘を書く問題(ハルシネーション)は今も起きるから、最後のチェックは人間がやる。油断するとAIが僕の言ってないことを堂々と書く。「え、僕そんなこと言った?」ってなる。言ってない。
「考えて→判断して→実行する」の流れをAIに任せつつ、最後の目と判断は自分で持つ。今のところ、このバランスがちょうどいい。
で、ここからが本題なんだけど、会社の中には「人間がやらなくてもいい作業」って、山ほどある。
たとえば入力作業。このアプリからこのアプリにデータを転記する。スプレッドシートに毎日つけなきゃいけない数字がある。会議のためにあっちのシステムからデータを引っ張ってきて資料にまとめる。こういうの、誰がやっても結果は変わらない。でも確実に時間は食う。
この手の入力作業系は、全部AIエージェントに作らせていこうと考えてる。
なぜかというと、シンプルな話で、優秀な社員がこの作業で半日使ってたら、その半日分のバリューが世の中に出ないからだ。社員の能力は入力作業じゃなくて、もっと別のところにある。そこに時間を使えるようにしたい。
空いた時間ができれば、今の人数のままでパフォーマンスが上がる。人を増やさなくても事業の成長スピードは上げられる。AIエージェントを使う意味って、突き詰めるとそこだと思ってる。
今、実際に着手してるのは社内会議資料の自動化と、経理財務の自動化だ。これがある程度できてしまえば、社員の負担がだいぶ下がる。
最近、AI導入支援をやってる人も多い。でも結局、真髄のところは経営者が自ら勉強するしかないと思ってる。会社の隅々まで知ってる人間が、どの作業を消すか判断する。空いた時間に、人間にしかできない仕事をやってもらう。それで売上と利益を上げる。
外から来た人にはこの判断はできない。「この作業、実は意味あるんだよ」とか「ここは本人がやらないとクライアントとの関係が壊れる」みたいな、現場を知ってないとわからないことが山ほどあるからだ。
好きな事で食っていく集団にしていく。そのために、人間がやらなくていい仕事はAIに渡す。宮崎の広告会社で、Claude CodeとAIエージェントを使って僕が今やってることは、結局そこに向かってる。
まだまだ道半ばだけど、めちゃくちゃ面白い。
AIエージェント、何に使えばいいかわからないって人は、まず「自分の会社で毎日やってるけど、正直誰がやっても同じだよなって作業」を1つ思い浮かべてみてください。それがたぶん、最初の一歩になると思います。
AUTHOR
遠山貴一
宮崎でクリエイティブの会社をやっているハナビヤ代表。 この連載は、「会社運営や経営するリアル」を記録した実践日記です。