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遠山貴一のひとりごと
経理が1人で全部やってた。それの何が問題なの?
ショートレビューで、経理体制の属人化を指摘された。
出納と記帳が同じ人。決算は税理士に丸投げ。年度決算は社内で約30日、そこから税理士にさらに1ヶ月。
「上場すると決算は20〜25日で締めないといけません」
え? 納税前までにやればいんじゃないの!?
経理が1人で全部やってる。何が問題なの?
経理が1人で出納も記帳も全部やっていたのは知っていた。知っていた。
でも、問題だと思っていなかった。
だって回ってるから! 毎月ちゃんと数字は出てくるし、給料も振り込まれるし、税金も払えてる。何が問題なの? という認識だった。
1人で出納と記帳をやるのがなぜダメなのか。ショートレビューで説明されて初めて「あぁ、お金を動かす人と記録する人が同じだと、チェックが効かないってことか……!」と理解した。
そんなことも知らなかった!
決算? 税理士さんに任せてるんで大丈夫です!
決算のスピードを指摘された時も、正直ピンときていなかった。
だって税理士に任せてるから大丈夫でしょ! と本気で思っていた。
社内で30日かけて数字をまとめて、税理士に渡して、そこからさらに1ヶ月。合計2ヶ月。今まではそれで何の問題もなかった。納税に間に合えばいいと思ってた。誰にも怒られなかった。
でも上場企業は20〜25日で決算を締めないといけない。
20〜25日!? うち合計2ヶ月かかってるのに!? どうやって!?
「税理士に任せてるから大丈夫」じゃなかった。任せてるんじゃなくて、丸投げしてただけだった。
任せると丸投げは全然違った
ここで気づいたことがある。
僕は「任せる」と「丸投げ」を完全に混同していた。
任せるというのは、中身を理解した上で託すこと。丸投げというのは、理解せずに放置すること。僕がやっていたのは、どう見ても後者だった。
経理が何をやっているか、詳しくは知らなかった。決算がどういう手順で進むのかも知らなかった。税理士が何をしてくれているのかも、よくわかっていなかった。
売上は見ていた。でも、会社の数字を「握っている」とは言えなかった。経理に聞かないとわからない。税理士に聞かないとわからない。自分では何もわかっていなかった。
経営者なのに!
税理士に丸投げを辞め始めた
ショートレビューの指摘を受けて、税理士に丸投げしている状態を変え始めた。
正直に言うと、これは上場とか関係なく、もっと前からやるべきことだった。経営者が自分の会社の数字を自力で把握できない状態って、冷静に考えたらまずい。普通にまずい。
でも、まずいことに気づいていなかった。回っていたから! 誰にも怒られなかったから!
ショートレビューは容赦なく教えてくれる。「それ、ダメですよ」と。ありがたいけど、毎回しんどい!
経営者が数字を「握る」ということ
小さい会社の経営者は、数字を「見ている」つもりの人が多いと思う。僕もそうだった。
売上はいくら。利益はいくら。現金はいくら。それは見ていた。
でも「見ている」と「握っている」は全然違う。握るというのは、なぜその数字になっているのか、どこに問題があるのか、自分で説明できるということだ。
僕は見ていただけで、握っていなかった。聞かれたら「ちょっと経理に確認します」「税理士に聞いてみます」としか言えなかった。
それじゃダメだ。自分の会社の数字くらい、自分で語れないと。
上場準備は、経営者が数字を「握る」練習でもあると思っている。
AUTHOR
遠山貴一
宮崎でクリエイティブの会社をやっているハナビヤ代表。 この連載は、「会社運営や経営するリアル」を記録した実践日記です。