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遠山貴一のひとりごと

経理が忙しそうだから入れたシステムが、上場準備の布石になってた

経理が忙しそうだから入れたシステムが、上場準備の布石になってた

前回、原価計算のDXでエクセル→kintone→ZACと3回やり直した話を書いた。

今回は逆の話。何も考えずに入れたシステムが、結果的に一番効いてた話。

 


経理と総務を1人でやってる。それがうちの現実だった

うちは小さい会社なので、経理と総務を1人で兼任している。

出納、記帳、請求書の発行、経費精算。全部1人。給与計算は社労士にお願いしているけど、それ以外は全部だ。

それまでは手書きとエクセルでやっていた。入力作業が膨大で、毎日遅くまでやっている。見ていて明らかに大変そうだった。

「これ、自動化できないのかな」

そう思ったのがきっかけだった。上場のためとか、DX戦略とか、そんな大げさな話じゃない。目の前の人が大変そうだから、なんとかしたかった。それだけ。

 


弥生会計からの卒業

実はフリーランスの時に弥生会計を使っていた。

法人化した時に税理士をつけたんだけど、ふと思った。「法人向けの、もうちょっとそれらしいシステムってないんかな?」と。

で、調べてみたらMFクラウドにたどり着いた。

会計、請求書、給与、経費。4つまとめて使えるらしい。しかもクラウドだから、データが連携する。請求書を出したら会計に自動で反映される。給与を計算したら仕訳が自動で起きる。

「これじゃん!」となって、2020年に会計・請求書・給与・経費を一気に導入した。

 


頑張ったのは経理の田中さんと税理士事務所

導入を決めたのは僕だけど、一番頑張ってくれたのは経理の田中さんと税理士事務所だった。

しかも、うちもこういうクラウド会計システムを使うのは初めて。税理士事務所も使ったことがない。誰も経験者がいない状態からのスタートだった。

最初は「こんなのあるんだ、いいね!」くらいの軽いノリだった。でも実際に入れるとなると、データの移行やら設定やら、やることが山ほど出てくる。

それを田中さんと税理士事務所が手探りで、マニュアル読みながら、一個ずつ進めてくれた。

2人には本当に感謝している。あの人たちがいなかったら、MFクラウドの導入は頓挫してたと思う。

 


1つのブラウザで全部見える。すごすぎ!

導入して経理の作業は楽になった。手入力が減って、ミスも減った。それだけでも入れた甲斐はあった。

でも地味にデカかったのは、ブラウザひとつで会社のお金の流れが全部見えるようになったことだ。

それまでは、銀行の残高を確認するだけでもネットバンキングにログインして出納帳を見る必要があった。銀行が何個もあるから、いちいち切り替えてログインして……。めんどくさい!

MFクラウドを入れたら、何個かの銀行の残高が一括で見える。外注先への支払い状況も見える。入金済みのクライアントも見える。パートナー会社との取引状況も見える。入金予定も見える。

全部、1つのブラウザで。

すごすぎ!!

今まで何やってたんだろうと思った。いや、何もやってなかったんだけど!

 


上場準備の布石になっていた

振り返ると、2020年のこの判断が上場準備の布石になっていた。

ショートレビューの報告書にも、会計システムとしてMFクラウド会計が挙がっていた。あの時入れていなかったら、上場準備はもっと大変だったと思う。

前回の記事で書いた経理体制の話。「税理士に丸投げしてた」「自分で数字を握れていなかった」。あれは本当にその通りなんだけど、MFクラウドを入れてなかったら、もっとひどかった。

少なくとも「ブラウザから数字が見える」状態にはなっていた。完璧じゃないけど、ゼロじゃなかった。

経理が忙しそうだから入れた。それだけの理由だった。でも「社員の負担を見て動く」という判断が、結果的に会社を前に進めることがある。

 


DXは大げさに考えなくていい

前回の記事では「DXは一発で正解にたどり着けない」と書いた。原価計算はエクセル→kintone→ZACと3回やり直した。

でもMFクラウドは違った。「経理が大変そうだから入れよう」。それだけで導入して、それがそのまま定着した。戦略もへったくれもない。

DXは「戦略的にやるもの」だと思われがちだけど、現場の困りごとから始めたDXの方が定着する。大げさな計画より、目の前の人の負担を減らすことが第一歩になる。

「この人、大変そうだな。なんとかできないかな。」

DXって、そこから始まるものだと思っています。

AUTHOR

遠山貴一

遠山貴一

宮崎でクリエイティブの会社をやっているハナビヤ代表。 この連載は、「会社運営や経営するリアル」を記録した実践日記です。