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BARで学ぶリアルマーケティング

第22話|“高機能”より“回る”を買うデジタルマーケティングツール選定〜中小企業の選び方と比較表・運用ポイント紹介〜

第22話|“高機能”より“回る”を買うデジタルマーケティングツール選定〜中小企業の選び方と比較表・運用ポイント紹介〜
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こんばんは、今日もマーケティングの考え方を一緒に整理していきましょう。

今回のテーマは、デジタルマーケティングツールの導入や選定でつまずきやすい中小企業が、何を基準に「自社に合うツール」を見極め、現場で回る形に落とし込むか。

“高機能なツール”を選んでも成果が出ない——。そんな声を多く耳にします。

だからこそ本記事では、“PDCAが現場で回り続けるかどうか”という視点を軸に、ある社長の実体験を通して、その選定と運用のプロセスを丁寧に紐解いていきます。

👉 関連記事:[第2話|マーケティングってナニ?

※ 本記事は「マーケティングの全体像」を理解している前提で進みます。もし曖昧な場合は、こちらから先に読むと全体像が整理できます。


舞台は、宮崎の郊外で複数の事業を展開する地方企業。

住宅・リフォーム、法人向けサービス、採用など、部門ごとに課題が違い、デジタル施策も広告・サイト・SNS・CRMがバラバラに動きがちな会社です。

「ツールを入れれば前に進む気がする。でも、選び方を間違えたら逆に現場が止まるのでは…」

——そんな社長の悩みから、話は始まります。


デジタルマーケティングツールとは何か|基本と目的

社長:「あかりさん、そもそも“デジタルマーケティングツール”って、どこからどこまでを指すんだろう。

広告ツールもあれば、CRMもあるし、SNS管理やアクセス解析、キーワード調査もあるよね」

あかり:「いいところに気づいたわね。

デジタルマーケティングツールとは一言で言うと、企業が顧客との接点で生まれる行動やデータを管理・活用して、マーケティング活動を効率化するための仕組みよ」

社長:「管理と活用、か」

あかり:「そう。

たとえば、webサイトに訪問したユーザーのアクセスや行動をアクセス解析で把握する。

そこから、広告やSNS、メール配信でアプローチを行い、問い合わせや資料のダウンロードにつなげる。

その一連の流れを支えるのが、デジタルマーケティングツールなの」

社長:「ツールって“作業を楽にするもの”だと思ってたけど、もう少し広いんだね」

あかり:「ええ。

単なる業務効率化だけじゃなく、顧客理解を深め、施策の精度を高めるための基盤と言ったほうが近いわね。

だから“何のツールを使うか”より、“何を実現したいか”が先に来るのよ」


中小企業がデジタルマーケティングで抱えやすい課題

社長:「正直に言うと、うちはwebマーケティングのデジタル施策が全部つぎはぎ状態でさ。

広告は代理店、SNSは若手、サイトは制作会社、データはExcel…

それぞれ別の人や会社が担当していて、全体の把握が難しくて」

あかり:「その構造、実は中小企業では非常によくあるケースなの。

だからまずは、どこに課題が潜んでいるのかを整理していきましょう。

まず、典型的なのはこの3つの課題よ」

社長:「3つ?」

あかり:「そう。

1つ目は、情報が分散していること

顧客情報、広告データ、サイトのアクセス、営業履歴が別々に管理されていると、全体像が見えなくなる。

2つ目は、属人化

“分かる人が一人だけ”になって、担当者が忙しくなるほど運用が止まる。

3つ目は、成果が評価できないこと

どの施策が効果を出しているのか分からず、改善が感覚頼りになる」

社長:「全部、心当たりがあるな…」

あかり:「この状態で新しいツールを導入しても、

体制や目的が整理されていないと、逆に管理負担が増えるだけになるの。

だから“課題の整理”が、ツール選定の前提になるのよ」


顧客・データ・施策をつなぐという考え方

社長:「課題は分かったけど、じゃあ何から整理すればいい?」

あかり:「まずは、この3つを一本の線でつなぐことを意識してみて」

社長:「3つ?」

あかり:「ええ、顧客・データ・施策の3つよ。

たとえば、

⚫︎どんな顧客が

⚫︎どのページを見て

⚫︎どんな行動をして

⚫︎どの施策で反応したのか

これがデータとして見えるようになると、

“次に何を改善すべきか”その方法が自然と分かるようになるの」

社長:「なるほど。

今は、問い合わせが来ても“なぜ来たか”までは分からないな」

あかり:「それが普通。

でも、アクセス解析やCRM、マーケティングオートメーションを連携させると、

“この広告から来た、この顧客が、この資料をダウンロードした”まで追えるようになる」

社長:「追えるようになると、何が変わるんだ?」

あかり:「それはね、

⚫︎広告費の無駄が減る

⚫︎見込み度の高い顧客に営業が集中できる

⚫︎コンテンツや記事の改善ポイントが明確になる

つまり、マーケティングと営業が同じデータを見て動けるようになるの」

社長:「ツールって、その“共通言語”を作る役割なんだね」

あかり:「その通り。

だから、デジタルマーケティングツール選定の本質は、

顧客・データ・施策をどうつなぐかを設計することなのよ」


デジタルマーケティングツールの種類と領域別整理

社長:「ここまで聞いてきて、“ツールは必要”なのは分かった。

でも正直、種類が多すぎて頭が追いつかないな……」

あかり:「そうね。そんな時は、“役割(領域)”で分けて考えるのがおすすめよ。

デジタルマーケティングのツールは、大きく言うと『情報を集める・整理する・活用する』ためのものに分かれるの」

社長:「情報を集めるって?」

あかり:「たとえばアクセス解析。

webサイトやwebページに、どれくらいの訪問者が来て、どのページを見て、どこで離脱したのか。

これをデータとして集めて、分析する領域ね」

社長:「Google Analytics、いわゆるGAだね」

あかり:「そう。次に“整理する”のがCRMやSFA。

顧客情報、問い合わせ履歴、商談状況、営業活動の進捗を管理するものよ」

社長:「営業とマーケティングの共通データベース、みたいな」

あかり:「その通り。

そして“活用する”のが、マーケティングオートメーションや広告運用、SNS管理。

メール配信やキャンペーン、コンテンツ発信を自動化して、見込み顧客へのアプローチを効率的に行うの」

社長:「なるほど…。全部別々に見てたけど、流れでつながってるんだね」

あかり:「ええ。だから、自社の課題がどの領域にあるかを把握しないまま、

“おすすめツール一覧”から選ぶと失敗しやすいのよ」

デジタルマーケティングツール例

MA・CRM・SFAの違いと選び方

社長:「ところでさ、MAとCRMとSFAって、正直違いがよく分からない。

全部“顧客管理ツール”に見えるんだけど」

あかり:「それはよくある混乱ね。じゃあ、一つずつ説明するわね。

⚫︎MA(マーケティングオートメーション):見込み顧客を育てる

⚫︎CRM:顧客との関係を蓄積・管理する

⚫︎SFA:営業プロセスを管理・可視化する

役割をシンプルに分けるとこうよ」

社長:「“育てる・管理する・売る”って感じか」

あかり:「そうそう。

MAは、資料ダウンロードやセミナー参加などの行動をもとに、

スコアリング(評価)して、メールやコンテンツを自動配信するの」

社長:「営業に渡す前の段階を整えるわけだ」

あかり:「一方でCRMは、問い合わせ後や受注後も含めた履歴を残す場所。

SFAは、そのCRMデータを使って、

“今どの案件が、どの営業担当で、どこまで進んでいるか”を見える化するの」

社長:「全部そろえないとダメ?」

あかり:「いいえ、最初から全部はいらないわ。

自社の営業スタイルとリソースに合わせて選ぶのが大事。

たとえば、営業人数が少ないなら、MA+簡易CRMで十分なケースも多いのよ」

社長:「HubSpotみたいに、一体型のサービスもあるよね」

あかり:「そう。

一体型は連携が楽で、運用負担が低いのがメリット。

ただし、機能が多い分、目的を決めずに導入すると使い切れないこともあるから、そこは要注意ね」


集客からリード獲得・商談化までの全体プロセス

社長:「ツールの役割は分かってきた。

後は、全体として“どう流れていくか”を一度整理したいな」

あかり:「じゃあ、集客から売上までを一気に描いてみましょう」

① 集客

 SEO、広告、SNS、コンテンツ発信でwebサイトへの流入を増やす

② リード獲得

 問い合わせ、資料ダウンロード、セミナー申込みで見込み顧客を獲得

③ 育成(ナーチャリング)

 メール配信やコンテンツ提供で興味度を高める

④ 商談化

 スコアの高いリードを営業に引き渡す

⑤ 受注・継続

 CRMで履歴を管理し、次の提案や紹介につなげる

社長:「こうして見ると、どこか一箇所が弱いと全体が止まるな」

あかり:「その通りよ。

たとえば、集客はできているのに、

リード獲得の導線(フォームやLP)が弱いと成果は出ないとかね」

社長:「逆に、営業が忙しすぎると、せっかくのリードが放置されることもあるな」

あかり:「そうね。だからこそ、どのプロセスを、どのツールで、どのチームが担うかを整理する。

これが、デジタルマーケティングを“会社全体のプロジェクト”として回す考え方なの」

社長:「だんだん見えてきたよ。ツールは“点”じゃなくて、“流れ”で選ぶんだね」

あかり:「ええ。次は、その流れをどうやって比較表に落とし込み、意思決定するかを話しましょう」


比較検討で差がつく、ツール選定の実践

社長:「ここまで整理してきて、やっと“選び方”が見えてきた気がするよ。

でも実際に導入したら、ちゃんと回るのかが一番不安だな」

あかり:「その不安、すごく健全ね。

実は、デジタルマーケティングツールを導入する最大の価値は、PDCAを回しやすくなることなの」

社長:「PDCAか…。

Plan、Do、Check、Action、だよね?」

あかり:「そう。ツールがない状態だと、

Plan:なんとなく立てる

Do:現場が頑張る

Check:感想ベース

Action:属人対応

になりがちなのよ」

社長:「うっ…耳が痛い……」

あかり:「ふふ。でもツールを使うと、

Plan:過去データをもとに施策を立案

Do:広告配信・メール配信・コンテンツ公開を実行

Check:レポートで数値を確認

Action:改善点を設定変更に反映

この流れが“型”として回り始める。

だから“PDCAを回すための装置”としてツールを見るといいわよ」

👉 関連記事:[第13話|回してるつもりのPDCA──その落とし穴!


類似ツールを並べて比較することが、失敗を防ぐ鍵

社長:「とはいえ、ツールの営業資料を見てると、どれも良さそうに見えるんだよね」

あかり:「だからこそ大事なのが、

ツールを導入する際は、類似のツールをいくつか並べて比較検討することなの」

社長:「1社だけ見て決めちゃダメ?」

あかり:「ダメとは言わないけど、判断軸がぶれやすい。

最低でも“同じ領域のツールを3つ並べる”と、違いがはっきりするわ」

社長:「たとえば?」

あかり:「MAならMA同士、CRMならCRM同士。その上で、こんな観点で比較するの」

⚫︎何が“できる”のか(機能)

⚫︎誰が“使う”のか(運用担当)

⚫︎どこまで“自動化”されているか

⚫︎レポートや効果測定がどれだけ簡単か

⚫︎サポートや支援体制はどうか

社長:「なるほどね。並べると、“いらない機能”も見えてきそうだな」

あかり:「そう。比較検討の目的は、“一番すごいツールを選ぶこと”じゃない。

自社にとって、無理なく回るツールを見つけることなのよ」


オーバースペックは負債のもと

社長:「でもさ、将来を考えると、ちょっと高機能な方がいい気もするんだよね」

あかり:「そうね、その考え自体は悪くないわ。

ただし、自社のケイパビリティと比べて、過度にオーバースペックなツールは導入しない。

ここは本当に重要なポイントよ」

社長:「ケイパビリティ、つまり“今の会社ができること”だよね」

あかり:「そう。

✅運用できる人は何人いる?

✅週に何時間、ツールに割ける?

✅設定変更や改善を誰が行う?

これを無視して高機能ツールを入れると、

“設定が複雑すぎて触られない”

“レポートは出るけど誰も見ない”

という状態になりやすいの」

社長:「結局、宝の持ち腐れになるわけか」

あかり:「ええ。ツールは“使われない瞬間から負債”になる

だから、今の体制で80点で使えるツールを選ぶ方が、

120点だけど10点しか使えないツールより、よほど成果につながるの」

社長:「刺さるな……」


比較表は「選定のため」ではなく「運用のため」に作る

社長:「じゃあ、比較表って“買う前”だけのものじゃないんだね」

あかり:「その通り。

比較表は、導入後の運用をイメージするための設計図なの」

✅この機能は誰が使う?

✅このレポートは誰が見る?

✅この設定変更は社内?外部?

ここまで想像できないツールは、導入しても止まりやすいの」

社長:「比較表を書いてる段階で、“これは回らないな”って分かるわけだ」

あかり:「そうなの。

だから比較検討を丁寧にやった会社ほど、

導入後のPDCAが早く回り始める傾向があるのよ」


ここまでの整理

社長:「今日の話をまとめると、

ツール選定って“機能比較”じゃなくて、“運用設計”なんだな」

あかり:「きれいに言語化できてるわね。

ポイントはこの3つ」

⚫︎デジタルマーケティングツールは、PDCAを回しやすくするためのもの

⚫︎導入時は、類似ツールを並べて比較検討する

⚫︎自社のケイパビリティを超えるオーバースペックは避ける

社長:「これを押さえておけば、少なくとも“大失敗”は避けられそうだ」

あかり:「ええ。

次は、この選定をどう社内で合意し、どう運用に落とすかを話しましょう」


導入後に差がつく|運用設計とKPI・レポートの考え方

社長:「ツールの選び方は分かったけど、

導入した“その後”で差がつく気がするんだよね」

あかり:「鋭いわね。実際、成果が出るかどうかは導入後の運用設計で8割決まると言っていいわ」

社長:「運用設計って、具体的には?」

あかり:「まずはKPI(重要指標)を決めること

売上だけを見ると、改善が遅れるからね」

社長:「たとえば?」

あかり:「

⚫︎集客:アクセス数、流入元

⚫︎リード獲得:問い合わせ数、資料ダウンロード数

⚫︎育成:メール開封率、クリック率

⚫︎商談化:商談数、受注率

このように、プロセスごとにKPIを分けるの」

社長:「おお、結構あるな。全部は追えない気がするけど…」

あかり:「最初は3〜5指標で十分。

大事なのは、毎月同じ数字を、同じ形式で見ることなの」

社長:「レポートは誰が作る?」

あかり:「理想は“ツールが自動で出す”ね。

人が頑張ってExcelを作ると、忙しい月から止まるから」

社長:「たしかに…」

あかり:「レポートは“分析資料”じゃなくて“会話のきっかけ”。

“何が起きたか”を共有して、“次に何をするか”を決めるためのものなのよ」

👉 関連記事:[第8話| KGIとKPI、動きを生む“設計”になってる?


外部支援・代理店・AIをどう使うか

社長:「正直、全部を社内で回すのは難しい気がしてきた」

あかり:「それも自然な感覚。

だから、外部支援を前提に設計するのは、むしろ合理的なの」

社長:「代理店って、どこまで任せるべき?」

あかり:「全部じゃない。

自社と外部の役割を分けるのがポイントよ」

そして、こんな風に分けると、依存にも丸投げにもならない」

自社:顧客理解、現場の声、意思決定

外部:広告運用、分析、設定、専門知識

社長:「AIはどう使う?」

あかり:「AIは“代わりに考える存在”じゃなく、作業を軽くする相棒ね。

たとえば、

⚫︎記事やコンテンツの下書き

⚫︎レポートコメントの整理

⚫︎データの要約や仮説出し

こうした部分で使うと、人の判断に集中できる」

社長:「AIを入れれば解決、ではないんだな」

あかり:「ええ。

体制と役割が決まっていない会社にAIを入れても、混乱が増えるだけよ」

👉 関連記事:[第20話| 体制と役割ってどう決める?デジタルマーケプロジェクト手順


失敗事例と成功事例から学ぶツール導入の分かれ道

社長:「最後に、実際の失敗例も聞いておきたいな」

あかり:「じゃあ、よくある失敗から」

失敗事例①

高機能なツールを導入したが、設定が複雑で担当者が触れなくなった

失敗事例②

レポートは出るが、誰も見ず、会議で使われない

失敗事例③

ツールが増えすぎて、逆に管理工数が増加した

とかね。」

社長:「全部、ありそうだ…」

あかり:「一方で、成功事例はシンプルなのよ」

成功事例①

KPIを3つに絞り、月1回の確認を徹底した

成功事例②

類似ツールを比較し、“一番使いやすいもの”を選んだ

成功事例③

自社のケイパビリティを基準に、無理のない運用体制を作った

社長:「結局、地味なことをちゃんとやった会社が勝つんだね」

あかり:「そう。

デジタルマーケティングは“魔法”じゃない。

続けられる設計こそが、最大の成功要因なの」


ここまでのまとめ

社長:「今日の話で、ツールに対する見方が変わったよ」

あかり:「最後に、もう一度だけ整理しておきましょう」

✅ツールの価値は、PDCAを回しやすくすること

✅選定時は、類似ツールを並べて比較検討する

✅オーバースペックは避け、自社のケイパビリティを基準にする

✅導入後は、KPIとレポートで“改善の会話”を回す

✅外部支援やAIは、体制を補う存在として使う

社長:「“高機能”より“回る”使い方だね」

あかり:「ええ。

それが、中小企業にとって一番現実的なデジタルマーケティングの形よ」

社内でつまずきやすいポイントと、その乗り越え方

社長:「理屈は分かった。でもさ、社内で話すと絶対こう言われると思うんだ。

『それ、今やらなきゃダメ?』『忙しくて手が回らない』って」

あかり:「出るわね、その声。でも、それは“反対”じゃなくて“不安”なの」

社長:「不安?」

あかり:「そう。

⚫︎自分の仕事が増えるんじゃないか

⚫︎デジタルは難しそう

⚫︎評価の対象になるのが怖い

こういう気持ちが混ざっていることが多い」

社長:「たしかに…。

『数字で見られる』って、プレッシャーでもあるよね」

あかり:「だから最初に伝えるべきなのは、

“評価のためじゃなく、改善のために見る”というスタンスよ」

社長:「改善のため、か」

あかり:「ええ。

『うまくいかなかったから責める』じゃなくて、

うまくいかなかったから、次を一緒に考える

この空気を社長が作れるかどうかが、社内浸透の分かれ道になるのよ」


デジタルマーケティングを「業務」に落とす工夫

社長:「とはいえ、“マーケティング活動”って言うと、

どうしても特別な仕事に見られがちなんだよな」

あかり:「そうね。まずは、全部を“特別な企画”にしないこと。

企画は最小限でよくて、後はできる人がそれぞれの部署で実行すればいいの。

たとえば、営業さんがヒアリングしてくるとかね。

一番大事なのは、“続く業務”にすること」

社長:「続かない施策ほど、無駄なものはないもんな…」

あかり:「だから、ツール選定でも

“誰がこのボタンを押すのか”

“誰がこのレポートを見るのか”

が想像できないものは、候補から外していいの」


「効果が出ない」と感じたときに確認すべきこと

社長:「もし導入して半年たっても、

『あれ?効果出てない?』ってなったら、どうすればいい?」

あかり:「そのときは、ツールを疑う前に、この3つを確認して」

社長:「3つ?」

あかり:「ええ。

1つ目:PDCAが本当に回っているか

   → CheckとActionが抜けてない?

2つ目:KPIが現実的か

   → 高すぎたり、目的とズレてない?

3つ目:使われているか

   → レポート、ちゃんと見られてる?

この3つよ」

社長:「なるほどね…

“Doしただけ”で満足してること、あるな」

あかり:「それって、実はすごく多いの。

でもPDCAは“回して初めて意味がある”。

ツールは“回す努力”を楽にする存在であって、

勝手に成果を出してくれるわけじゃないの」

社長:「結局、人が関わるんだね」

あかり:「ええ。だからこそ、自社のケイパビリティを超えない設計が重要なのよ」


社長が最後にやるべき仕事とは何か

社長:「これだけ話してきて、全体像はつかめてきたけど……

結局のところ、社長である自分が何をすべきなのかが気になってきたよ」

あかり:「いい質問ね。

社長が全部やる必要はないけど、

全部を“決めなくていい状態”を作る責任はある」

社長:「決めなくていい状態?」

あかり:「そう。

⚫︎判断材料(データ)が揃っている

⚫︎誰が何をするか決まっている

⚫︎比較表や基準がある

こうなると、社長は“毎回ゼロから考える”必要がなくなるのよ」

社長:「なるほど…。ツール選定も、運用も、全部“仕組み化”なんだな」

あかり:「そうなの。仕組みを作るのが、経営の仕事。

デジタルマーケティングは、その力が一番試される分野かもしれないわね」


「高機能」より「回る」を選ぶということ

社長:「長い時間話してきたけど、

結局、一番大事なことはシンプルだったな」

あかり:「ええ。高機能かどうかより、回るかどうかね」

社長:「うん。

⚫︎PDCAが回る

⚫︎比較して選んでいる

⚫︎自社のケイパビリティに合っている

この3つが揃っていれば、失敗しにくい」

あかり:「その通り。

ツールは目的じゃない。

顧客と向き合い続けるための道具なの」

社長:「今日の話、社内でそのまま共有したいな」

あかり:「それが一番嬉しいわ。

“社長ひとりの知識”で終わらせないこと。

それが、デジタルマーケティングを成功させる最後のポイントよ」

それじゃ、今夜もあなたのビジネスにちょっと効く『マーケティングの一杯』を。

叶 あかり


✅ まとめ

⚫︎デジタルマーケティングツールの本質は、高機能であることではなく、PDCAを回しやすくすることにある。

⚫︎ツール導入の前に、自社の課題・目的・体制(ケイパビリティ)を整理することが不可欠。

⚫︎ツールは1社だけで決めず、類似ツールを複数並べて比較検討することで失敗を防げる。

⚫︎オーバースペックなツールは負債になりやすく、今の体制で無理なく使えるものを選ぶ方が成果につながる。

⚫︎成果が出るかどうかは、導入後の運用設計・KPI設定・レポート活用で決まる。

⚫︎すべてを社内で抱え込まず、外部支援や代理店、AIを補助役として活用するのが現実的。

⚫︎社長の役割はツールを操作することではなく、判断しなくても回る仕組みを整えること。

⚫︎「高機能」より「回る」を基準に選ぶことが、中小企業にとって最も再現性の高い成功パターンである。


💡FAQ

Q1. デジタルマーケティングツールとは何をするものですか?

A.顧客の行動やデータを可視化・管理し、施策改善のPDCAを回しやすくするための仕組みです。

高機能かどうかより、継続的に運用できることが重要です。

Q2. 中小企業でもデジタルマーケティングツールは必要ですか?

A.必要です。ただし自社の体制で無理なく運用できるツールを選ぶことが前提です。

オーバースペックな導入は、かえって成果を出しにくくします。

Q3. デジタルマーケティングツールの失敗しない選び方は?

A.類似ツールを複数並べて比較し、「誰が・どう使うか」を明確にして選びます。

導入後のPDCAまで想像できないツールは避けるべきです。

Q4. 高機能なツールを選んだ方が将来的に安心ですか?

A.必ずしも安心ではありません。

自社のケイパビリティを超えるツールは使われなくなり、負債になりやすいです。

Q5. ツールを導入しても効果が出ない原因は何ですか?

A.PDCAの「Check」「Action」が回っていないケースがほとんどです。

ツールではなく、運用設計や体制に原因があります。

Q6. ツール運用は社内だけで完結させるべきですか?

A.無理に完結させる必要はありません。

専門性が必要な部分は外部支援や代理店を活用する方が現実的です。

Q7. デジタルマーケティングツールは社長が理解すべきですか?

A.操作ではなく、目的と判断軸を理解しておくことが重要です。

社長の役割は、判断しなくても回る仕組みを作ることです。


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